限りなく黒に近い部屋の隅 風景の輪郭を雨が蝕む 腐食してゆくイメージ 何故に酔いは醒めて 崩れるだけ
一晩中 二人は身体を磨り減らし 忘れぬようにと 確かめては失う
目覚めたら そこにはもういなかった 何処へ行くわけもなく 彷徨った
人が影のように過ぎてゆく 空の端で 光の悲鳴
一晩中 俺は命を磨り減らし 置き去りの未来を 探し のたうち回る 儚いだけの 人の夢さえ信じる やがて雨は泣き疲れたように 降りやむ 夜明け