モノクロエンドロール


薄紅の風 しらけた季節が舞う
萎えた言葉は色あせるノスタルジア
一人、石畳を踏み鳴らして歩く
まるでB級映画のカタストロフィ

それでも雨は今夜も綺麗だから
ずっとこのままずぶ濡れに 私だけを洗い流せばいい
不似合いの口紅も キツ過ぎた香水も
霧る街路にかすれたメモリー

何処か隠れて・・・ 誰か探して・・・

嗚呼、質の悪い冗談のような台詞
只、思い出して 演じてもまたいつも同じ結末

ドラマチックを吐き気がする程飲み干したら
本当のところ 悪い気もしなかったんだってさ
折れたピンヒールでシンデレラ気分
物語のクライマックスは拍子抜けのエンドロール

何処か隠れて・・・ 誰か探して・・・

強がるわけでもなく 悲しいわけでもない
ズレたままの心のまま ヒラくことはなかった傘
ズレたままの心のまま 終わってしまった

それだけ

嗚呼、質の悪い冗談のような約束
もう守られることもなく この雨に包まれて散る

さよなら



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